不安をぶっ壊す適度なテキトーのススメ

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日本人は生まれつき真面目な民族と言われています。なぜか。これには諸説ありますが一番有力と思しきは「日本人、不安を感じやすい説」です。

人間の感情はすべて、例外なく、脳が司っています。その脳がどうやって働いているかというと、電気信号と脳内物質の伝達によって、あらゆる情報を処理しています。その情報処理に仕方によって、楽しくなったり不安になったり、悲しくなったり幸福感に満たされたりします。

その脳内物質の中でも、安心感とか気持ちの安定をコントロールする物質がセロトニンと呼ばれる物質です。脳の中でこのセロトニンが出てくると、全身に「大丈夫」という信号が駆け巡り、体中の細胞という細胞が安定モードに移行します。具体的には心拍数が下がる、呼吸の回数が下がる、人間の感情が安定し、安心感を全身で感じることができます。

日本人はそのセロトニンを運ぶ因子が少ない、あるいは弱い人の割合が大きいと言われています。つまり、日常的に不安を感じる人の割合が多く、安心感を感じる力が弱いということです。そしてこの性分は遺伝的なものなので、鍛えて改善できるものではなく、何かあったらすぐに心配してしまう性分はどうしようもないということです。

ですが、訓練することによって不安を和らげることは可能で、セロトニンをコントロールできるように普段から意識すること=日常の不安を取り除いていく努力をすることは十分可能です。これにより、あなたの人生の質は劇的に改善し、毎日がより楽しくなることを目指してみましょう。

その具体的な方法について考えていきましょう。

真面目でないと成功しないが、テキトーでないと生きてはいけない。

不安に陥らないためのマインドセット

まず、あなたは幸せになりたいですか?成功したいですか?あるいはその両方ですか?

幸せになりたいのは我々のほとんどが望むことではないかと思います。成功したいかどうかはそれよりもやや割合が下がりますが、ざっくり半分ぐらいの人たちが成功したいのではないかと思います。ただ、成功するために犠牲にするものが多い場合、成功よりも幸せを優先する、という方が多いのではないでしょうか。

これは学術的には非常にまっとうかつ的を射た考え方で、成功が先か幸せが先か?つまり、成功するから幸せになるのか?幸せに生きて仕事をしているから成功するのか?という問いには実は答えが出ています。どちらが先だと思いますか?…幸せが先なんです。ハーバードの研究で、幸せと成功の因果関係は多くの場合、幸せが先=幸せだから成功する、成功するだけでは幸せになれないことがわかってきました。

不安というのは、自分から幸せまでの距離が遠いこと、あるいは幸せが遠ざかって行っている状態を認識し「やばいやばい」と感じている状態です。このままではだめ、なんとかしないと。あれもしないとこれもしないと…。ああできない。でもやらないとやらないと!コレですよね。不安って。

1個の不良品

真面目であることは、成功する上で絶対に欠かせない要素です。真面目な人でないと成功できない、真面目なことはとても大きな美点です。真面目では成功できない、といったようなブログをたくさん見ますけど、真面目でないとまず成功できないですよ。真面目に仕事しなくて成功できたように見えたとしても、それは一時的な棚ぼたのフロックです。運が一瞬良かっただけです。真面目な人間以外で長期的に成功する人はいません。なぜなら、事業を一人で成功させることは不可能で、沢山の人達の支援が欠かせないからです。そして、真面目に仕事に取り組んでいない人に手を貸す人はいません。一見不まじめなように見えて成功している人は、カッコつけているか、仕事以外はすべて不真面目かのどちらかです。だから、真面目であることは全く持ってデメリットになりません。

そして安心してください。このページにたどり着いたあなたはもうその要件は満たしています。十分に真面目な典型的日本人です。ちゃんとした判断基準を持ち、自分の仕事をちゃんとこなせる人です。で、真面目な人ほど不安に陥る。それは自分の理想が高いからです。ここまでやって初めてできたことになる、という目標値の設定が高いのです。

世界的に見て日本人の仕事が細かく、日本製品の品質が群を抜いて高いのは、この真面目=「不安を感じやすい」ことに起因しています。工場で出来上がる製品についても、たとえば100個の製品を作るとします。で、そのうち1個が不良品だった場合、日本人とそれ以外の民族ではアプローチが違います。日本人は、どうにかしてその不良品の1個を出さないようにする。日本人以外は、101個作ればいいんじゃない?と考える。どちらが正しいかはさておき、どちらを目指すかでその後の行動や心理状態が変わってきますよね。当然ですが、不良品の1個を出さないアプローチのほうが圧倒的に、これはもう本当に圧倒的にハードルが高いです。

不良品1個を出さないアプローチはすなわち、常に100点を取ることを目指したものです。なので99個まともな製品ができるだけではダメなんです。99点では怒られるのです!怒られはしなくても「あぁ、99点か。100点じゃないのね。」とイヤミを言われます。99点取ってるのにですよ!これが82点=100個中18個の不良品ならさすがにちょっと考えたほうがいいと思いますが、この1個をどう解釈するかで、あなたの人生の質を大きく変化します。

結論として、1個の不良品の見逃しましょう。もっと言えば10個まではスルーして大丈夫です。

1個の不良品をつぶして100点満点をコンスタントに取ろうとすると、あなたがつぶれます。そうやって年間100万人がうつ病にかかっています。そしてそのうち2万人が自殺しています。自殺は病死です。脳内のセロトニンがうまく伝達されずに不安感が積もり積もって正常な思考ができないときに、その最終行動として自殺します。その一番最初の要因は、1個の不良品を見逃せない日本人の特性にあるのです。

100点は「異常」だということを知る

人間には様々な能力があります。話す、計算する、問題を解決するといったシンプルな能力から、クリエイティブに生きる、人を楽しませる、美味しいものを食べて幸せを感じる、といった複雑な能力もあります。これらすべてについて100点を取るというのは不可能です。そもそも、100点を取るというのは異常なことです。100点は最上のグレードにいる、ということで1番を取る、ということと同義です。ある製品の製造において1つの不良品を出さないことというのは、その製品の製造において世界で1番のスキルを持っている、ということです。世界一になることはそもそも異常なことなので、すべての人が目指すべきところでは当然のことながらありません。これとても重要です。

世界一と誉れの高いハーバード大学に入学した新入生の99%はまず、挫折からスタートするといいます。なんでなんで?世界一の大学に入れただけで天にも昇る気分じゃないの?と私も想像していたのですが、実はそうではないようです。ハーバードに入学する子たちは、世界中のそれぞれ育った地域において紛れもなくトップの子たちです。ほとんどが1番であることに慣れてしまった=1番取るのが当たり前で何年も過ごしてきた子たちです。1番の子を2000人集めると、当然ですがその中で1番はひとりです。でその中で1%、およそ20人ぐらいはほぼ頂点、みなし1番と呼んでもいい子たちだとすると、その他の99%の子たちの中には、生まれて初めての「負け」すなわち挫折を経験する子も多いわけです。ここで挫折する子について、どう思います?たとえハーバードランキングで1000番でも十分すごいんじゃないの、むしろその中で1番って異常でしょ!!って思いませんか?その感覚こそが「正常」な状態です。

ハーバード、MIT、コーネルなど世界トップクラスの大学では、学生の自殺率は実はかなり高いです。おそらくですが、さきほどの挫折に関係しているのだと思います。「自分は世界一の人間」と思ってきた子が、実はそうではないという現実に直面し、落胆し、コンプレックスを感じ、自分の人生の意味を見直し、絶望する。は?なんでハーバードで絶望すんの?と思っちゃいますがこれが現実のようです。私にはとても理解できませんが。

日本人も同じなんじゃないかなと思います。日本に生まれた瞬間、人生すごろくの最初のサイコロでいきなり6が3つ連続で出るようなもんです。全世界的な視点で見ると、日本で生まれた全員の恵まれ度合いはハーバードに入学した子たちみたいなもんです。貧しかったり情勢が不安定な国の人たちから見ると、世界最高峰の日本という超安全な国で生活しててなんで不安になんの?なにが不安なの??意味わからん、という感じでしょう。

ブラジルの貧民街で育った18歳の少年は、どれだけ健康でカッコよくて賢くても、将来2つの選択肢しかありません。プロのサッカー選手かギャングか、です。少年サッカーチームのエースとしてプレーしていても、プロチームの目に留まらなければ、ギャングとして麻薬の売買や抗争要員として生涯警察とのチェイスに追われる身になるのです。そしてそういう状況に陥っている彼ら自身には、その状況にいることへの責任はありません。

不安に陥っているとき、最初にすべきは視点をグーッとズームバックすることです。不安な状態にある自分の状況を俯瞰できるまで視野を広げる。不安に没入してしまうと、暗くて深い穴に落ち込んだのと同じで、周りは全く見えません。物理的に暗い穴にいないときは特に、すっと周りに目を向けるだけでも効果的です。

確かに、身の回りの小さな危機は脅威です。そして不安そのものが、絶対的に解決不能な状況に陥っていることはほとんどありません。ということは、お金をかけなくても不安を払拭するノウハウを持っていれば、必ずその不安から抜け出すことができます。

不安をぶっ壊す方法

不安の原因となる実例とその対策をいくつか見てみましょう。

会社、学校でのいじめ

周りとの相性が悪いだけ。マイペースを貫くか、自分を変えるか、職場、学校を変える。環境を変えるにはかなりのパワーがいるので、いっそ自分を変えてしまう。自分を変えることはそれほど難しいことではないです。周りの声を聞き、そのアドバイスのとおりにとりあえずは全て従ってみる。仕事、勉学、すべての基礎は周りとどう溶け込むかなので、その状態を放置しないことが重要です。

仕事がうまく行かない

どうやったらうまく行くかを周りのできる人たちに聞きまくる。そしてひとつずつそれを実践する。転職はハードルが高くかつ、次の職場が快適である保証はないので、今いる職場での立場をUPさせるほうが早くて楽です。よく脱サラして起業する人がいますが、万人にはおすすめしません。ハードル超高いです。脱サラ起業するぐらいなら社内で同じ努力をして、その会社を乗っ取るぐらいのマインドで仕事のやり方を変えるほうが安全かつローリスクです。

で、仮に仕事がうまく行かなくても考えすぎない。本当の意味であなたをちゃんと見ている人はいません。かっこ悪い結果を出しても、心の底から「あーあいつかっこ悪いなー」と思っている人はいません。そこまであなたはみんなの意識の中にはいないのです。みんな自分のことで精一杯です。

家族の不仲

これはケースバイケースですが、まずはちゃんと関係改善に取り組んでみることです。家族みんなと話をする。ちゃんと思っていることを話して、みんなの思っていることを話してもらう。どこが不満でどうやったらその不満を解消できるか。時間とパワーはかかりますが、一旦壊れかけた関係を修復する作業というのはそんなものです。なので、とにかく関係を壊さない努力を最初からするか、その努力が必要ない人と家族になる、あるいは諦めて放置する、というのがまぁ全部正解です。

関係を良くしようと仮に、関係を精算してつぎのパートナーとやり直そうと思っても、ちゃんとしたコミュニケーションができないとまた数年後に同じことになるので、そのへんの人間関係をちゃんと勉強してからやり直すのが吉です。人間関係に関する書籍は山のように出ています。ですが、人間の心理は世界共通なので、一つのコツさえ掴んでしまえば、全てうまく行きます。そのコツとは「いかに相手を気分よくしてあげるか」です。相手を気分よくすることで自分も気分が良くなってくると、もうあなたは人間関係で悩むことはありません。

経済的な困窮

お金は人間が回すものです。お金を持ってくるのも持っていくのも人間です。なので、経済的にきつい場合、何がそんなにきついのか、ちゃんと数字で検討します。家賃、食費、通信費。今の時代は安くていいものはいくらでもあります。たとえ東京都内に勤務していても、通勤1時間半圏内に300万円〜500万円の家はゴロゴロあります。家賃が家計を逼迫しているなら、住宅ローンで300万円の家を買いましょう。30年ローンだと月の支払いは1万円です。人間関係を気にして、シビアに経費を詰められないようでは問題解決しませんので、周りを気にせずガッツリ節約しましょう。

やりたいことがない

生きていくことに意味なんて必要ありません。人間は生物としてこの地球に存在していることをまず思い起こしてください。野生動物たちは生きる意味なんて考えていません。生きていく意味なんて本来はないのが正解だからです。あなたの命はあなたのものではないのです。周りの家族のもの、コミュニティのもの、人間という大きなグループのひとつの細胞なのです。だから、やりたいことがなくても、誰かの役に立っていなくても別にいいのです。ただ、日々、生きていく。それでいいのです。人間社会はあらゆる人間をできるだけ生かそうとします。健康保険や生活保護なんかはその好例です。これが意味するのは、暴論ではありますが、特に意味のない人間でもとりあえず生きていていい、ということです。現時点では役に立っていなくても、長い人生のどこかでキラッと一瞬、輝くときが来るかもしれません。やりたいことや役立てることなんてのはそれこそ出会いなので、いつかどこかで出くわします。

不安に対抗するための4か条

自分は絶対に責めない

何があっても自分で自分を責めることはダメです。失敗そのものは積極的に認めて改善につなげるべきですが、失敗する自分を責めるのはダメです。なぜなら、責めるのは他人がいろいろやってくれるからです。ここで自分を責めない、というのは言い訳・弁解をする、嘘をつく、というのとは違います。不当な責めに対して自分を守る、ということです。

例えば何か失敗をしたときに「ひどい失敗だ。そしてそんな失敗をするお前は最悪の人間だ!」みたいな言われ方をすることがあります。この文の中で”ひどい失敗だ”は受け入れていいですが”最悪の人間だ”は受け入れてはダメです。それは完全に間違っているからです。

仕事上で何か失敗をしたときに、失敗した当人は当然として、その仕事の管理者、チーム、もっと言えばあなたの適性を見誤った上司や採用担当者も責められるべきなんです。もちろん、あなたが真摯に仕事をしていたことが前提にはなりますが、あなただけが原因の失敗はまぁ存在しません。失敗は色んな要素が絡まり合っているからです。とにかく、どんな失敗もあなただけの責任ではないので、自分の人格や人間性、存在までは絶対に責めないようにしてください。自分自身は自分が一番優しく接してあげてください。

めんどくさいと思わない

ただし、仕事はちゃんとしましょう。めんどくさくても何でも、Just Do Itです。とにかく、目の前のタスクにガッツリ向き合い、考えるよりも速く、やるしかないんです。やることでしか、人生は開けない。やることでしか、不安は絶対に取り除けない。下手な考え休みに似たりとかいいますが、下手な考え、悩むことは全然「休む以下」です。考えれば考えるほど不安が先行し、悩みは増えます。なので、思考中止ってのは不安な時には効きます。めんどくさいと思うのも、考えてしまうからめんどくさいんです。ただ、やればいいんです。

仕事もそうですが、ジョギングや筋トレなど、体に負荷をかけることも十分に「やること」リストに入ります。体にかかるストレスは疲れよりも生命体としてのあなた自身を活性化させることに大きく寄与します。ジョギングなんて特にかんたんです。靴はいて走るだけです。今すぐできます。で、ちょっとしんどいな〜と思える程度に走り込む。1キロも走れば十分です。

めんどくさいと感じたときこそ、頭ではなく無理にでも手先や体を動かしてみてください。人生を変える、小さいけどとても大きな一歩になります。

悪いサイコパスとは絶対付き合うな

これは超重要です。悪いサイコパス的要素を持っている人間とは、絶対に付き合ってはいけません。徹底的に無視してください。ここで「悪い」と書きましたがサイコパスにもいろいろあるのですが

  • 自分のことしか考えない
  • 平気で嘘をつく
  • 自慢話がひどい
  • 精神的、物理的に相手を傷つけても平気
  • 他人を操ろうとする
  • 異常な刺激に固執する

…などです。

パッと見、見た目も性格も良くて賢い人であることが多いですが、付き合っていくほどに「なんか言うことがおかしい」「異常に冷たい」「人の心や感情について全く無頓着」などという面が見えてきます。あ、なんかおかしいなと思ったら、あなたのその直感は正しいことが多いです。直感は理屈に勝ります。無意識下で感じていることも直感には含まれるので、そこはあなたの直感を信じてください。特に、あなたを攻撃してくるサイコパスと一緒にいてもなんのメリットもありません。離れるしかありません。…もしあなたがサイコパス的素養を持っているなら、こちらの記事が参考になるかもしれません。

そしていい加減にテキトーになる!

何でもテキトーはだめですよ。基本的にはちゃんとやる。そして、色んな所に気を配って細かくやる。これ実は、もうすでにテキトーな人には言ってはいけないことかもしれません。普段からテキトーな人がもっとテキトーになると周りがしんどくなるだけです。なので「いい加減=程よい感じに」テキトーになることが重要です。

つまり、思いつめないこと。

考え過ぎはだめ、と言いましたがそういうことです。100点ってのは誰でも取れる点数ではないので、80のパワーで100店取れる人だけが100点、あるいはその上を目指しましょう。100パーで頑張って65点とか80点が精一杯の人は100点目指すと壊れます。F1マシンで砂利道走ったらぶっ壊れるのと一緒です。そして100点を周りに強要しないことはもっと重要です。程々なテキトーこそが、いい社会を作ります。そして一部の天才が、社会を作っていってくれます。天才は、社会に貢献してしっかりお金持ちになる。我々普通の人たちは、天才が作った便利なシステムに乗っかって、格安で楽をする。それでいいんじゃないですかね?

BB1100

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