超算数!かけ算の順序問題・突き詰めすぎ厳禁

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私自身、小さい頃から算数、数学のたぐいは結構得意で、いままで何も苦手意識も問題もなく生きてきました。で、かけ算の順序についてもテキトーな認識でしたし、それによって小学校時代に嫌な思いをしたこともありませんでした。なんですがここ最近、かけ算の順序が超重要!ってな考え方を目にするようになって、ちょっと自分でも考えてみました。

かけ算の順序は重要か

私自身の結論としては「重要ではないが、細かく考える意味はある」となります。

日本の算数とは「日本語と数のハイブリッド教科」という表現をTwitterでのコメントでは目にしました。言い得て妙だと思います。したがって、かけ算の順序も語順同様に重要だと。例えば以下の問題で考えてみましょう。

  • 6人に鉛筆を4本ずつ配ったとき、必要となる鉛筆の本数は何本でしょう。
  • 4本の鉛筆を6人に配ります。このとき、必要となる鉛筆の本数はいくつでしょうか。

これについて、わたしは6×4=24、4×6=24のどっちでもいいんじゃないの?と考えていました。しかし「算数」ではそうではありません。4×6=24が正解です。

算数において重要なかけ算の考え方は「ひとつあたりの数」x「そのかたまりの個数」ということですので、上記の問題では「配る鉛筆のひとまとまりの本数は4本」x「そのまとまりを配る人数は6人」、したがって上記2問とも常に4×6=24という式になります。

他の例で考えると、

  • 1パック6個入りの卵パックを3つ買いました。全部でいくつ?
  • 4つのグループを作り、そのグループにはそれぞれ8人います。全員で何人?
  • 3つのバターがあり、それぞれ450gずつです。合わせて何グラム?

はそれぞれ、3個x6パック=18個、8人x4グループ=32人、450gx3つ=1350g、という感じです。まぁこれを理解できていれば問題になることはないかと思います。

とまぁ、ここまでは原則論です。

ここで私が言いたいのは、この順序が全てか?ってことです。違うと思います。つまり、上記の問題でたとえば正解が3個x6パック=18個という式であったとします。で、これについて6パックx3個=18個と書くと大きくバツを付けて、問題まるごと不正解!!とする風潮です。こんなことやってるとホントダメだと思いますよ。ダメ。

なぜか

学校教育、特に公立の小学校教育の意義とは何か?たしかに色々理由はあると思います。国力の増強、生活レベルの向上、知的な毎日を生きる意味、従順で均質な労働者の育成などなど…。でも、一番大事なのは「生きていく喜びを学ぶ」ってことだと思いますよ。こんな、かけ算の順序をちょっと間違えたぐらいで全部「バツ」するような教育で、勉強が、学校が、生活が楽しくなると思いますか?

根性と知性、知的好奇心のある生徒なら「なんでこれがバツなの!?」と食い下がって、算数の背景にあるコンセプトなどを最終的には理解すると思います。ですが、そんなことできる子はおそらく100人に1人、1%ぐらいしかいないでしょう。なので、レベルの高い学校ではコンセプトを説明しつつそれを踏まえた解き方を議論するぐらいの授業をするべきだとは思いますが、公立の小学校ではダメです。そんな採点をしてはいけません。そんな職業こそAIに取って代わられます。

ですが、やっぱり順序のコンセプトは大事です。分かる子の知性を伸ばす工夫もまた大事です。かけ算の順序の考え方を正しく理解し、その理解に沿って式を立てるというある意味ちょっとした高等テクを使う小学生に、そのテクを学ぶインセンティブを与えることもまた大事です。

なので、やはり部分点方式の一律採用でいいんじゃないですかね。

式の順序を間違えると-1点。それぐらいでいいと思います。だって、そもそも欧米ではかけ算の順序は逆ですし、方程式をやりだしたら掛け算の順序なんて支離滅裂で無意味になるわけですから、まぁ極論を言えばかけ算の順序なんざ無駄な知識、トリビアの類でしょうよ、と私は考えます。

算数・数学は得意な人にとってはゲームみたいなもんです。

そうではない人にとっては意味不明の言語でしょう。その違いの原因はまぁ様々でしょうけど、少なくとも答えが合っているのに式?かけ算順序?のちょっとしたミスで「ハイ残念!!」ってドカーンと不正解の烙印を押されると「あー俺向いてないわー」ってなる子は必ず出てきます。

算数は日本語と数のハイブリッド。

わかります、このコンセプト。いいと思います。でも、子供相手にこの考え方を押し付けるのはダメです。子どもたちへの教育で一番大事なことは何度でも言います。「この世界で生きることの楽しさ、面白さ」です。算数に関して言えば、パズルを解く快感や、これまでぼんやりとしかわからなかったものが数字を使って表現すると、圧倒的な説得力とともにまさしく事象の「見える化」ができるわけです。この面白さを教えずして、これを土台とせずして、あらゆる積み上げは「無」となります。なんなら最終目標は、ゲームとして算数・数学であそべる子たちを増やすこと。

かけ算の順序を完璧に捉えて式を作ることの必要性は、この「面白さ」や「できるかも!」といった可能性を、子どもたちが感じるずっと前に、子どもたちを叩き落としてしまう無慈悲な関門になる可能性が大いにあります。なので100点を目指すためには避けて通れないひとつのチェックポイント、ぐらいの認識でちょうどいいと思いますよ。

よって、かけ算順序について過剰に気にすることは意味ないどころか、弊害になる。

以上、証明終わり。

BB1100

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