子供のやる気を出させる方法〜やる気スイッチはここにある! 

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人間は気持ちが10割です。この大原則をまずはしっかり頭と心に刻みつけてください。気持ちがノリさえすれば、人はどんなことでもやり遂げます。本当にやりたいことを見つけた時に、お腹も空かないし眠たくもならない経験をしたことがあると思います。あれはフロー状態と呼ばれる心理状態で、やりたいことをやる!という大きな流れの中に、スッポリとはまり込んだ状態です。このフロー状態は、物事を進めていく、もしくは何かを学ぼうとしている時には最高の状態です。

「気持ち」の影響力

フロー状態、とまではいかなくても、人間の行動、考えは全て、完全に100%、その人の気持ちが支配しています。想像してみてください。あなたが何かをしたい時、もしくはしたくない時、どのような気持ちでしょうか。例えばカッコいい時計やバッグを見つけて、その値段が十分に手の届く範囲にあった時。お!買おうかな、とワクワクしますよね。でも、よく考えてみてください。時計もバッグも、ちゃんと使えるやつはもうすでにお持ちですよね?お家にありますよね。それなのになぜ、新しいのが欲しくなるのか。

こんなとき、買いたいという直感的な感情と、いやいや買わなくていいんじゃないの?という理性的な内なる声が聞こえてきませんか?これは、何かをやりたい時、やりたくない時のどちらも起こることです。ちょうど、アクセルとブレーキのようなものです。で、アクセル(気持ち、感情)とブレーキ(理屈、理性)のどちらが優勢かは人によりますが、日本では大体ブレーキがやや優勢なのかなという印象です。ただ、本質的に持っているポテンシャルはアクセル=気持ちの方が強いです。やりたい!と心から思う気持ちは、一時的に鎮めることはできても、赤く輝く炭火のように死ぬまで燻り続けます。買うかどうか迷った買い物も、結局はだいたい買ってしまいますよね。これはなぜでしょうか。

それは、人間の「気持ち」というのは、数万年の進化で人類が手に入れた、書き換えられないソフトウェアだからです。赤色を見て気持ちがたかぶるのは、赤が、血や炎の色だから。赤を見ると「何か対処が必要」だと本能的に思うからです。森の空気を吸い込んで気分が良いのは、あなたの全身の感覚が、ここの空気は生命にとってとても有益なものだと知っているからです。「気持ち」は常に本質を捉えます。そしてそれは進化の過程で人間が獲得してきた奇跡のアルゴリズムなのです。つまり、絶対逆らえません

だから、子供が言うことを聞かないのも本質的なことなのです。子供たちにはすでに、すごくやりたいことがあるのです。遊びたい、食べたい、寝たい、ここにいたくない、などです。あなたが子供の時にそうだったように、子供はエネルギーのカタマリで、常にそのエネルギーを注ぐ場所を探しています。ちょうど遊んでいるお金がたっぷりある投資家のような感じです。お金をさらに増やすために、常に投資先を探している。子供の本質的なマインドはそこです。その感覚です。自分のエネルギーをどんどん使ってさらに成長する機会をいつもうかがっています。私は個人的に、赤ちゃんが眠たくて泣くのは、その成長機会を失いたくないからだ、と解釈しています。眠たいならすぐ寝れば良いのに、といつも思っていましたが、赤ちゃんは実は寝たくないのでは、と考えると、妙にハラに落ちた気がしました。

では、その気持ちエネルギーをどのようにコントロールするか。以下、具体的な方法です。

子供のやる気を最大限尊重する。

子供のやる気は水物です。常にそこにあるとは限りません。なので、やる気が出たタイミングで全員がそれに乗っかるようにしましょう。親も、他の兄弟も、みんなその子のやる気の先に何があるかをワクワクしながら見にいきましょう。

例えば、天気の良い春の日。あなたは子供と一緒に公園にいます。木々には桜の花が咲いていますが、半分ほど散っています。そして子供がそこかしこに落ちている桜の花びらを集めることに没頭し出したとき、どのように対処するのが理想的でしょうか。日常よくあるシーンです。花びらを集めて空中に撒いて、うわーってなるアレです。正解は「やめるまでやらせる」です。だいたいは2〜3回か、10回ぐらいか、それぐらいは自由にやらせてあげることが多いと思います。ですが一方で、それが20回、30回やり続けていると、手や服が汚れる、周りからどう見られるかわからない、こんなことに時間を使いたくない…いろいろ思いますよね。でもそれはすべて親の都合なんです。子供の本当の成長とは真逆の感覚です。子供は花びらを撒き散らすことで、たくさんの学びがあります。春にはキレイな桜が咲くこと、桜の花は散ってしまうこと、散ってしまってもキレイであること、花びらの手触り、そして何より、面白い!と思ったことを思う存分できる喜びの感覚、つまり「今この世界で自分は生きている」という感覚を学びます。ここで花びらブワーをやらせておくか早々にやめさせてしまうかで、将来的にその子のパフォーマンスが、実は1万倍ぐらい変わってきます。そして、ほとんどの親はその事実を知りません。桜の花びらごとき、それほど真剣に考えません。やりたいことを最後までやりぬく力は、圧倒的に重要な能力なのに、諸事情により摘み取られてしまうことがよくある能力なのです。ここがまさしく、子供の能力に差が付くポイントです。

エネルギーは絶対に堰き止めない。方向を変えてやる。

やる気のエネルギーはとにかく前に向けてあげましょう。そして何か他のことをやる必要がある時は、うまく方向修正をしてあげるのが上策です。例えば、先程の桜の話の続きですが、30分ぐらい経過したときに、どうしても帰る必要があったとします。そんなとき、一番うまい中断方法は何だと思いますか?ただ「おうちに帰るよー」と呼びかけるだけでは子供は心から納得しません。腕をつかんで連れ帰ろうとするとケンカになるでしょう。なので、一枚上手の私たち大人はそんなとき、そっと目先の方向転換をしてあげます。呼びかけの例としては「帰ってアイス食べようか!」「来てごらん、こっちにも面白いものがあるよー」などです。つまり、今やってることも面白いけど、こっちにも別の面白いことがあるよ!行ってみよう!と、子供が自発的に目先を変えられる工夫をします。この方向転換ををすると、2つのメリットがあります。ひとつは集中してガーッと遊んだイメージが肯定的に残ることで、集中力や好きなものを見つける嗅覚が身につきます。もうひとつは、こんなに楽しい経験をさせてくれているに対して、とても肯定的な印象を持つようになります。普段、楽しいことばかり親にさせてもらっている子は、親がたまに「だめ」と言った時はちゃんと言うことを聞きます。この人は自分にとって良いことしか言わない=だめ、というのもきっと自分のことを考えてくれている、と子供なりに感じる思考回路が出来上がってくるのです。まさにいい事ずくめです。子供の気持ちの方向転換がうまくできないと、この得られるべき2つの大きな要素を得ることができません。

このときに実はもうひとつ、重要なポイントがあります。それは、集中力の切れ目を見つけることです。どれほど興奮していても、私たちはずーっと高い集中力を保っているわけではありません。子供をよく観察していると、どんなに全力で遊んでいてもフッと一瞬、集中力が途切れるタイミングがあります。表情、動きが一瞬止まり、息を大きく吸い込もうとしている瞬間です。先程の方向転換を行うタイミングは、まさしく、そのときです。

簡単には泣かせない。

たとえ楽しい毎日が続いていても、ずっと笑顔でいられるわけではありません。失敗もするし、思い通りにいかないことも沢山あります。むしろ、うまくいかないことの方が多いので、できないと思ったり、叱られたりすることは日常です。そこでも大事なポイントがあります。泣くこと、わめくことで逃げる方法は徹底的に押さえ込む、です。つまり、簡単に泣かせない、駄々をこねた場合絶対に言うことを聞かない、を徹底します。

ここは親の踏ん張りどころ、その子の将来を賭けた真剣バトルです。妥協は無用です。もちろん、悲しいことや辛いときに流す涙はオッケーですが、泣くこと、駄々をこねることを手段として使い出したときは徹底的に取り締まってください。「泣かない!」とちゃんと目を見てしっかり言う。駄々をこねても動かない、こちらの表情を崩さない。

いずれ子供たちが生きることになる大人の世界では、泣くことで状況が良くなることはまずありません。そのスタンダードで、子供にも接しましょう。泣いてるヒマとエネルギーがあったら、どうすればこのネガな状況と気持ちを吹き飛ばせるか、考えて行動するようにさせましょう。

やりたいこともやりたがらないことも、とりあえずやらせてみる。

これは、とりあえず触らせてみる理論です。食わず嫌いはもったいないので、すぐやめても良いから、ちょっとだけやってみようか、思ってたより面白いかもよ?と、なんでもチャレンジできる、心の扉の間口を、しっかり広げてあげましょう。

人間は、やったことでしか学べませんし、評価もされません。正しいことを言っていても、それが実現できなければ何も知らないのと同じことです。そして、自分にとって何が向いているか、自分はどんな適性があるのかは、やってみないとわかりません。チャンスを出来るだけ掴むチャレンジをする。成功する確率が同じなら、結果はチャレンジ回数で決まります。

絶対にしないといけないことは無理にでもやらせる。

子供が小学生であれば食事、挨拶、歯磨き、就寝、でしょうか。特に食事は健全な心身、とりわけ心に大きく影響します。栄養バランスは子供の精神状態に直結しますし、美味しい食事はそれだけで人生を豊かにします。子供が食べやすいように、パターン化してもいいので、出来るだけ美味しい食事を食べさせてあげてください。幼児期の子供は「食べること」そのものをたたき込んでください。気分で食事を残させることはさせず、親自ら子供の口をこじ開けてでも頑張って食べさせます。それほど食事は大事だ、と言うことをしっかり体験させてください。

絶対にしてはいけないことは、誤解のないように身をもってわからせる。

命に関わりそうなときは、叩いてでも教えるべきです。危ない場所への飛び出し、硬いものを投げる、人を傷つける、誰かを陥れようとした、など子供の人生全体に影響のある「悪意」のある間違いは、絶対ダメです。放置するとその子は必ず不幸になります。その場で、確実に、絶対に誤解のないように正します。何度同じ失敗をしても、その都度しっかり叱ってください。

やり遂げたときには、めちゃくちゃ褒めてあげる。

うまくいった時も同じです!その場で、確実に、間違ったメッセージ伝えないよう、誤解のないように思い切り褒めます。そして、何度同じ成功をしても、その都度しっかり褒めてあげてください!

心理学を適用する。

大人の世界での人間関係論は、そのまま子供にも当てはめてください。親がきっちり子供に接することはもちろんですが、子供にも大人を尊重させてください。子供の頃から他人を尊重するクセがついている子は、大人になった時それだけで頭ひとつ抜け出せます。

そしてまた、とにかくいろいろ体験させる。

以上のサイクルを、日々グルグル回すことで、子供は螺旋状成長していきます。やる気のスイッチは、以上すべてです。ひとつオンにしただけではやる気オンにはなりません。まず、親子でじっくりやる気スイッチを育てひとつずつオンにしていくのです。一発でオンになるスイッチは残念ながら存在しません。子供とはいえ人間なので、そんなにシンプルな存在ではないからです。でも、これらのスイッチを確実にオンにすることで、子供のやる気は必ず上向きます。ぜひ実践してみてください。

BB1100

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