GA-2100:Gショックレビューとカスタム〜最新標準G-Shockの詳細と弱点

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GA-2100を購入したのでレビューします

モデル:白いインデックス&時分針

安定のG-Shock、完璧な機能性、値段も安く電池の持ちも最高。シンプルデザインなアナログは今まで珍しかったので、あらゆる年齢、シチュエーションにも対応できます。クルマで言うとフィットがデビューしたときの衝撃に近い。ですが、実はいくつか改善の余地がある印象です。

<いいところ>

  • 軽い:着けてる感じがしないほど軽いです。つけ心地は…後述。
  • バンドも一番柔らかく軽い、幅狭5600系です。
  • スポーツ万能なヤツです。
  • スーパーシンプルな白系アワーマークと白い針でとても見やすい。真っ暗闇でない限りライトなしでもほぼ時刻は読めます。
  • 安い。
  • 電池は過去の経験からおそらく4年は持ちそう。
  • 機能は標準的G-Shockレベル。
  • 文字盤、液晶のダブル照明がとてもいい。
  • どんな服装にも合う。いい意味で主張しない。

<要望するなら>

  • 今は品薄な模様。生産数はこれから増えていく?
  • オートライト機能つけて。
  • Bluetoothスマホ連携にすれば全世界で時刻の自動補正ができる!
  • タフソーラー仕様はそのうち出てきそう。
  • つけ心地がガリガリ(後述)。
  • アワーマークが微妙にグレー。白でよかったのでは?(後述)
  • 針の「尻の形と色」は要改善(後述)。
  • バンドラグ部が脆弱。構造変更等、強化が必要(後述)。

バンドカスタム

  • 5600系バンドの転用→メタルコアをつけてみた。

メタルコアバンドはポン付けできます。非常に高級感が出て、つけ心地もかなり良好です。時計を腕につけたり外したりもワンボタンでさっくりできますし、見た目も装着感も違和感ゼロです。メーカー純正仕様が出てもいいほどの、正統派カスタム。

  • ウレタンバンドは上下逆=6時側にバックル金具がついたバンドをつけると、バンドをゆるめにしていても、時計本体が小指側に回らずナイス!

 →時計ゆるめにしたい人はこれはマジ試してみて。

ガリガリのつけ心地

G-Shockのいくつもある美点のうち、つけ心地=装着感は非常に重要な要素だと思います。存在感抜群のごつい時計が多い中、柔らかいウレタンバンドと工夫された造形で、現場作業からスポーツまで、腕に時計がついてることを意識させない装着感は大いなる美点です。

それがそれが。軽量薄型のGA-2100は、コンパクトなボディサイズにコンプレックスを持っているかのようなガリガリ主張するつけ心地。腕にはめていると手の甲側の手首の付け根あたりが痛いのです。ベゼルのボディサイドがとんがってるからです。

赤矢印の部分、時計の手の甲が接触するところ。この部分の処理がマズい。

この部分の角がシャープすぎて皮膚をバリバリひっかきます。GBA-800なんかも似たような造形ですが、2100のほうが装着時に気になります。多分、樹脂を成形する際の金型のつなぎ目なんでしょうか。

この写真の真ん中の部分です。画像で見るだけでも角がキリッと立っているのがわかります。見た目はシャープでいいのですが、普段見えないところですし、肌へのアタリを優先すべき部分だと思います。設計時にきちんと把握できていれば、ゼロコストでつぶせていた問題点です。

アワーマークはなぜグレー?

これは購入前の写真ではわからなかった部分です。アワーマークが何故グレーなのか。個人的にはブラックの文字盤に真っ白な針、アワーマークも大きめで真っ白が好きなのですが、2100はなぜか微妙にグレーです。本当に、よく見ないとわからないレベルのグレー。比較すればわかるかな?というレベルですが、これだったら白のほうが見やすく、潔いのでは?

GW-4000と比較してみます。4000は球面風防、半光沢のベゼル、文字盤もソーラーパネルで若干光っていますが、アワーマークも負けじと存在を主張しています。これが「白」です。かたや2100のアワーマークはちょいグレー。2100の方だけ影になってるように見えますが、照明はイーブンです。これはこれで「落ち着き」を表現しているのかもしれませんが、中途半端。シブさはオールブラックモデルに任せて、実用・見やすさ第一に振るのが正解だと考えます。GW-4000はLED照明こそありませんが、リアル白のインデックスのおかげで本当に真っ暗なところ以外は時間が読めます。まぁ2100にオートライト機能がついていれば真っ暗闇でも見えるのでちょいグレーはスルーできたのですが…。

針の尻の形

あと、針の「尻の形」も改善できる点かと思います。

時分針は物理的に動いていくものなので、軽量化とバランスには大変腐心している様子が伺えます。実際、アナログG-Shockシリーズの針はこの苦労の跡がとても良くわかるデザインになっています。

まず、G-Shock全体に言えることですが、針が短い、細い、もしくは秒針レス。これは電池の消費と、振動に対して針ずれを防ぐ工夫です。これは非常に賢明なデザインで、実際カシオの時計はめちゃくちゃ燃費がいいですし、とことんタフです。見た目重視のNIXONの時計なんかだと大体1年ぐらいで電池が切れる=針の動きが悪くなってくることが多いです。その点、カシオの時計はスペック上3年とか書いてますけど、のべ20本ぐらい使ってきた手元のG-Shockのうち5年以内に電池が切れたものは皆無です。これは凄まじいことです。

モデルによって針の存在感がしっかりしているG-Shockもあります。そういった時計たちはまず、針の重量バランスがちゃんと計算されているデザインになっています。針はモーターに繋がっている軸から見て長い部分と短い部分があり、普通に考えれば長いほうが重くなるのでバランスが悪くなります。それを針の「お尻の形」でカバーし、バランスを取っているのです。しかし、アナログウォッチである以上、針は必ず重なりますので、この針の「お尻の形」が重要になってきます。

たとえばGW-4000。針の尻の形が抜群にいいんです。

尻を伸ばすのではなく、太くして重さを持たせています。また、黒くペイントしている部分が少なく、すべての針がかぶっても違和感がありません。個人的には黒いペイント部分は必要ないのではないかと思います。一方、GA-2100を見てみます。

潔(いさぎよ)く真っ直ぐに伸びた白い針。これはこれでとても見やすくて好きです。なんですが問題は尻の形と黒いペイントなんです。分針のお尻が時針にかかるとき、時針の半分以上が分針の黒い尻で隠れてしまいます。別に時間はわかるのでいいんですが、デザインのアイデアひとつで特に費用もかからず改善できる部分ですので、もうちょっと頑張ってほしかった部分です。

GW-4000はソーラー電源でLED照明なし、かたやGA-2100は普通の電池駆動でLEDダブル照明装備なので、GA-2100のほうが消費電力の要件は厳しいと思いますが、針の尻の幅を増やして長さ方向を短縮しながらブラックペイントを施して、時針にかぶったときの重複面積を減らす、あるいはちょっとコスト高になりますがお尻の長さを詰めつつお尻の部分に厚みを持たせて重量バランスを最適化する、などの方法が考えられるかと思います。

G-Shockだけに衝撃!GA-2100の弱点

通常使用ではおそらく問題ないと思うのですが、バンド交換時、バンドを固定しているピンがうまく外れなかったため、ピンをニッパでぱちんと切ったところ、ラグ部分がポロッと破損しました。

問題点は2つ、①ラグ部が細い。プラスチックなのにラグが金属ボディの時計と同じ構造=強度が足りないことは明白。②カーボン繊維が入っていない。カーボンボディ、とのことですがカーボン素材はコアガード、内部のみなのでしょうか。このラグ部分にはカーボン繊維は通っていないようでした。カーボン繊維が通っているプラスチックでは折れることはあってもカーボン繊維でつながっているため簡単には切り離れません。構造上の問題、素材上の問題双方が原因のようです。購入して2ヶ月程度なので経年劣化はありません

ちなみに他のG-Shockのラグ部分は、ラグ部分の厚みが2倍近くある上、ラグの文字盤側がパネル結合できちんと補強されており、バンドのピンを左右から保持しているアームを文字盤側のパネルで「コの字型」にしっかり受け止めている構造になっています。これだと安心です。まず壊れません。

「コの字型」になっているラグ部。簡単には壊れません。
GAW-100:ラグの文字盤側はパネル構造になっていてバンドの付け根が見えない=強い
他のモデルのラグ部厚みは1.5倍〜2倍程度
破損部:カーボン繊維が通っていないため折れた部分はポロッと外れる

もちろん、通常使用では問題ないのですが、以前のモデルよりもラグ部の強度は明らかに低下しています。

基本コンセプトはとってもとてもいい時計なんですけどねぇ。細かい部分、身につける工業製品としてはもう少し細かいところが改善されていけば、他のすべての時計を駆逐して、地球の「標準腕時計」になること間違いなしですよ。ちなみに壊れたあとにもう1本買っちゃいました。

カスタム完成形

  • メタルコアバンド換装
  • フルブラックベゼルに換装
  • ベゼルの接触部分のガリガリを改善
やはりベゼルの文字はブラックがベストでしょう

尖っていたベゼルの腕に当たる部分、これはサンドペーパーで根気よく整形しました。1000番のペーパーで形を整え、2000番で滑らかさを出し、3000番のペーパーで周りのつや消しカラーになじませるという手順です。これで装着感は劇的に改善されますので、ぜひお試しいただければと思います。

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