GW-4000 G-Shock 長期レビュー:今なお現役、世界一の実用性

最終更新日

あなたが時計に求めるものはなんですか?

ビジネスシーンで相手を印象づけるため、奇抜なデザイン、カジュアル感、視認性、実用性、ただ時間がわかればいい。

GW-4000は2012年発売とはいえ今なお現役。圧倒的に実用性振りなこの時計、今後も絶対に廃れないデザインと機能。CASIOの良心が全て詰まった、それはそれはクソ真面目な時計です。

  • デジタル表示なしの落ち着き払った本物感
  • 世界6局受信の電波時計
  • G-Shockにはめずらしい太く長い存在感のある時分針
  • やっぱりあるとかっこいい秒針
  • モノトーンダイヤルの抜群の視認性
  • もちろん耐久性
  • 太陽電池のタフソーラー
  • 駆動はデジタルなので時分秒針が完璧に同期します
  • リューズがないので装着時、手の甲に違和感がない
  • 20気圧防水
  • 球面風防
  • 実は針のお尻の部分の形状とペイントが非常に的確

電波時計、タフソーラー、耐衝撃性なんかはG-Shockとしては珍しくありません。なのでこの時計の大きなウリはデザインと言えます。それも実用性に特化したデザイン。

どんな状況でも見やすい大きな文字盤、カウントダウン、カウントアップがわかりやすい秒針。秒表示はデジタル表示でももちろんいいのですが、どんな光の状況下でも時分秒すべての情報に即座にアクセスできる美点は、秒針表示にはやはり敵いません。

あとはデザインですね。特にモノトーンモデルは差し色なしの完全なモノトーン。無駄を削ぎ落としつつ十分な機能性を備えている点は、非常に高度なインダストリアルデザインだと言えます。単純に眺めていて美しいですし飽きません。

今回ご紹介のモデルはバンドがメタルです。このモデルのいいところは文字盤のアワーマーク(時刻を表す目盛り)に白くて大きなインジケータを採用しているところです。ラバーバンドのモノトーンモデルはアワーマークがやや小ぶりで、極力オールブラックが好きで、だけど実用性も損ないたくない場合はラーバーバンドモデルのほうがいいかもですね。このあたりは好みの分かれるところだと思います。

ラバーバンドモデル

装着感はラバーバンドのほうが格段に快適です。スポーツや現場作業に最適なG-Shockをわざわざメタルバンドにする意味はないのかもしれません。個人的にはないと思っています。ですが、このメタルバンドモデルの文字盤は最高に見やすいので、このモデルにラバーバンドを装着して使っています。ついでにベゼルの「G−SHOCK」の文字もマットブラックで墨入れしました。

あと箇条書きの部分でも書きましたが、針の「尻の形がイイ」のは素晴らしい美点です。時分針は物理的に動いていくものなので、軽量化とバランスには大変腐心している様子が伺えます。実際、アナログG-Shockシリーズの針はこの苦労の跡がとても良くわかる構造になっています。

まず、G-Shock全体に言えることですが、針が短い、細い、もしくは秒針レス。これは電池の消費を意識してのことであることは疑いようがありません。これは非常に賢明な判断で、実際カシオの時計はめちゃくちゃ燃費がいいです。見た目重視のNIXONの時計なんかだと大体1年ぐらいで電池が切れる=針の動きが悪くなってくることが多いです。その点、カシオの時計はスペック上3年とか書いてますけど、のべ20本ぐらい使ってきた手元のG-Shockのうち5年以内に電離が切れたものは皆無です。これは凄まじいことです。

その点を踏まえても、モデルによって針の存在感がしっかりしているG-Shockもあります。そういった時計たちはまず、針の重量バランスがちゃんと計算されているデザインになっています。針は軸から見て長い部分と短い部分があり、普通に考えれば長いほうが重くなるのでバランスが悪くなります。それを針のお尻でカバーし、バランスを取っているのです。

そして、GW-4000のその尻の形が抜群にいいんです。比較例としてまずは最新ラインのGA-2100の時分針を見てください。

潔(いさぎよ)く真っ直ぐに伸びた白い針。これはこれでとても見やすくて好きです。なんですが問題は尻の形と黒いペイントなんです。アナログウォッチである以上、針は必ず重なります。分針のお尻が時針にかかるとき、時針の半分以上が分針の黒い尻で隠れてしまいます。別に時間はわかるのでいいんですが、デザインのアイデアひとつで特に費用もかからず改善できる部分ですので、もうちょっと頑張ってほしかった部分です。

その点、GW-4000は…

ほら、わかります?尻を伸ばすのではなく、幅を広くして重さを持たせています。また、黒くペイントしている部分も少なく、すべての針がかぶっても違和感がありません。さらに言うと個人的には黒いペイント部分すら必要ないのではないかと思います。


GW-4000を純粋に時を計る道具として評価したとき、この時計よりもバランスが取れた時計はなかなかないと思います。もっと高機能な時計や、高価できらびやかな時計もありますが、それらは日常特に必要のない機能です。壊れず狂わず見やすく止まらない。聞いたことのあるフレーズですが、これら本当に必要の機能だけをよりすぐって凝縮したひとしずくが、このGW-4000です。間違いなく今なお世界トップの実力派です。

BB1100

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

コメントする