長距離運転のコツとポイント〜余裕のドライブ5時間超!

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日常そんなにはありませんが、たまに超長距離の運転をすることがあります。400キロ、1000キロ、またその距離を毎日走りながら移動する。1週間で5000キロを走破したときに気づいたことをまとめます。記事もそれなりに長距離です!

前日

長距離ドライブは前日から始まっています。とはいえそんなに難しい準備は必要ありません。ポイントは食事と睡眠です。食べすぎず、よく寝ます。最低でも6時間睡眠、また腹八分目の食事を心がけます。ちょっとしたことですがこれを怠ると運転中の眠気やダルさに直結するので、休憩の回数が増え、移動が非効率になります。

姿勢

リラックスしながらも、シートの性能を思い切り引き出すことを意識します。運転中に腰や背中が痛くなると運転していられないし、ゴソゴソ姿勢を変えるのも危険なので、この項目はかなり大事です。ポイントとして肩の裏側から背中、骨盤を背もたれに密着させます。この時、微妙に肩が浮いて猫背になっているとすぐに腰が痛くなります。また腰が浮いて背骨が逆反りしているとお尻にきます。体重をシートに預けるとき、どこかに荷重が集中すると、そこから必ず痛みが出ます。

リラックスしているあなたの体は、やわらかい豆腐みたいなものです。想像してみてください。豆腐を素手で持つときに、端っこをつかんだり指二本だけでつまんだりはしないと思います。手のひらで優しく包み込むように、できるだけ広い面積を豆腐に密着させて持ち上げると無傷で豆腐を移動できます。まさにその感覚です。肩、背中、腰、太もも裏と、丁寧に体全体に同じ圧力がかかるよう意識して、シートに体を沈めます。(図の赤い丸が密着を意識するポイントです。手首は軽く太ももに乗せましょう)

そしてシートに優しく密着して座っている状態で、両手をだらんと太ももの上に乗せ、手のひらを上向けます。体全体リラックスです。で、その手のひらに、自然とハンドルの下端が収まるように、シートの前後、背もたれの角度をセッティングします。とにかく体の力を抜いて、リラックスです!

アクセルの踏み方

アクセルは、足全体でまっすぐ真上から踏み込むのが一番ラクです。長距離運転でダレてくるとついガニマタフォームになりがちですが、骨盤や膝、足首の関節に少しづつ負荷が蓄積して結果的に疲れてきます。

また、ふくらはぎの筋肉を使って、足首を動かす感覚でアクセルを踏むのも疲れの原因です。膝から下の脚全体をクルマのフロアに押し込むように踏み込むと、てこの原理で足先が沈みます。このときに、踏み込む力がほとんどいらないポイントがあります。踏み込まなくても膝から下の脚の重みがアクセルペダルの反発力とちょうど釣り合うポイントです。定速巡航しているときに、この踏み込み釣り合いポイントにうまく持っていければ、クルマはオートクルーズをONにしたようにスーッとひとりでに走り続けます。

映画

まず、あなたが何回か見て、ストーリーをだいたい覚えている映画を選んでください。子供が乗っている時はジブリの映画なんかもいいと思います。時間が長めの作品を選びましょう。それを車内で再生し、音声を大きめにします。当然ドライバーは映像を見られませんが、知っている音声だけを聞いて頭の中でシーンを再生しながら運転すると、不思議と時間を忘れます。とてもラクに運転できます。再生方法は色々あります。DVDを再生する、動画ファイルを入れたPCをクルマのオーディオシステムと接続する、などです。幸運にも車内のオーディオシステムに高品質なものを載せている場合、俳優さんのセリフの発音や、映画で使われている音楽が実はすごく洗練されたものであることを発見できると思います。ここでのポイントは、映像を見ない、音は映画館並みに大きく、です。

食べ物

前日の腹八分目効果もあって、運転しているとお腹が空いてきます。そうでなくてもちょっとヒマを感じたときには、助手席の人に手伝ってもらっておやつを食べましょう。ちょっとつまめるお気に入りのおやつを、じっくり時間をかけて、味のむこうがわに到達するまでしっかり味わいましょう。車内ではこれが一番手軽で楽しい時間の使い方です。

サングラス

長距離運転の疲労軽減には、サングラスがかなり効果的です。眩しさを抑える、というありきたりな効果以上に、実は大きなメリットがあります。

長距離運転していると、道中ちょっとしたことがあります。太陽が出てダッシュボードのレシートがフロントガラスに反射している、雨が降ってきた、虫がガラスにぶつかって汚れたなど、ドライバーの視界にはいろいろな邪魔が入ります。これを軽減してくれるのがサングラスです。

夜になる、もしくは暗くなると物が見えにくくなる経験をしたことがあると思います。家の中で、子供が見てみて!と言いながら、目の前にバンと持ってきたスマホが近すぎてピントが合わず見えないことがありますよね。あれをうまく利用します。

なぜ人は暗くなるとピントが合わせづらくなるのか。これは被写界深度という概念で説明できます。カメラのレンズがそうですが、レンズの光の入り口には絞りという装置がついています。カシャっとシャッターを切ったときに漫画でよくあるアレです。絞りはカメラのセンサー部分に取り込む光の量を調節します。あれは私達の目の模造品です。つまり、似たようなもっと優れた機構が私達の目には備わっています。瞳孔です。

その瞳孔は環境光の強さ、つまり明るさに応じて自動で開いたり閉じたりしているのですが、これがとても面白く、瞳孔が開いているときと閉じているときとでは、見え方=ピントのあわせやすさが違います眩しいときは瞳孔が光を絞り込んで視界全体のピントがはっきりします。近くから遠くまでなんとなくピントが合っています。被写界深度が深い状態です。反対に暗いところでは瞳孔が開くため、被写界深度が浅くなり、丁寧にピントを調節しないとボケて見にくくなります。サングラスをかけることはこのボケが狙いです。サングラスを着用することで視界を暗くし、いつも以上に瞳孔を開いて、フロントガラスに溜まっていく邪魔なゴミやら汚れやらを、ピントをぼかすことで見にくくするのです。その分、フロントガラスの向こう側、本当に見るべき他のクルマや歩行者、障害物に集中できるというわけです。

目が一番リラックスな状態というのは遠方にピント、瞳孔が全開付近という状態です。クルマを運転しているとき、体も脳もそれほど疲れないのです。それほど大した運動も情報処理もしていませんから。ただ、目は違います。集中して路上のいろんなものを注視し、常に追いかけています。運転中に疲れるのは目なのです。だから、徹底して目のスタミナを温存する。これがとても重要です。目にとって楽チンなリラックス状態を、サングラスを使うことで作ってあげましょう。着用のタイミングは、薄暮以降を除いた日中です。晴れた昼間はもちろん、曇りや雨の日の日中、また薄暮前のサングラスしているとさすがに見にくくなる時間帯までは効果的です。

ちなみにサングラスは、色が薄め(可視光透過率25%〜30%以上)で、フロントガラス内側の反射をしっかりカットできる「偏光サングラス」がベストです。暗すぎるサングラスは逆に見えにくくなるので疲れます。運転の疲労は旅の質にも関わりますし、長時間着用するので、良いやつを買いましょう。

速度とレーン

速度はそれぞれ快適速度があって80キロだと眠くなる、120キロは怖い、などいろいろあると思うのですが、変化が少ないほうが疲れにくいです。淡々と等速直線運動を心がけましょう。クルマにも燃費にも良い運転です。クルーズコントロールがついているなら積極的に使いましょう。最初はちょっと怖いと思いますが、慣れればこんなに便利なものはありません。走行レーンは、2車線なら基本左車線で合流時には右車線、3車線なら真ん中がおすすめです。一番右の追い越し車線は飛ばし屋に煽られる&覆面パトカーにマークされやすい、左車線は合流のクルマとの駆け引きが煩わしいからです。

酸素

これはめちゃめちゃ大事です。人間が生きていくのに、ぶっちぎりのトップで重要な物質は酸素です。脳に供給される酸素がゼロになると人間は即活動停止です。即です即。あまりに重要なので結論から先に言いますがエアコンは基本「外気導入」にして「1時間おきに換気」してください。寒かろうが暑かろうが雨降っていようが、です。換気の方法は4つの窓全て全開なら10秒、運転席窓10センチ開&助手席後ろの席の窓5センチ開なら5分ぐらいでしょうか。前後の窓一つずつを開けると、風が前から後ろに抜けて効率的な換気になります。

車中の酸素濃度が低下するとどうなるか。やばいです。眠気が出てきたり判断力の低下、いらいらしてくるなどロクな事がないばかりか、シンプルに危険です。酸素が減るということは、乗車している私達が吐き出す二酸化炭素(CO2)で空気中のCO2濃度が増加します。私達は酸素を吸ってCO2を吐き出しているからです。CO2濃度は普通、300(屋外)〜700ppm(室内)なのですが、締め切った車内で内気循環にしていると1時間で4000にまで上昇することもあります。一般的に、CO2濃度が2000を超えると眠気や頭痛、倦怠感や注意力の低下が起こります。長距離の移動時は長時間窓を締め切っていることも多いので、この換気には特に気をつけてください。

休憩

これも個人差があると思いますが、上記のポイントを実践しながら慣れてくると5時間ぐらいは休憩なしで走れます。でも無理は禁物です。ちょっとでも疲れたり眠たくなったらすぐに休憩しましょう。急いでいるときなら休憩は5〜10分でも十分回復します。

眠気には絶対勝てない、勝とうとしない

最後に眠気についてですが、これは勝負を避けてください。単純作業である長距離運転時、眠気には絶対に勝てないことがわかっています。10分休憩〜10分仮眠を繰り返すしかありません。ガムを噛むとか音楽を聞くとか眠気をある程度ごまかす方法はありますが、車内全換気を試してだめだったら本質的にだめです。休憩しかありません。

長距離を走ることが苦にならなくなったら、みんなを連れて日本中どこにでも行けます!少しずつその距離を伸ばしてみてください。

BB1100

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