日産ステージア(C34)レビュー〜古き良き走りのタフワゴン

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和製ボルボの異名を持ちますがその実、本家を超えている部分がたくさんあります。古き良き日本が産んだ、クルマ史に残る名車です。

■車体概要

・1997年式 WGNC34 RS Four V (AR-1) 4WD
・エンジン:RB25DET(直列6気筒2500ccターボ)
・走行距離80,000kmで購入
・購入後のメンテは以下の通り
 →オイル、ATF、デフオイル、燃料ポンプ、バッテリー交換
 →ホイール、タイヤ交換(32GTR純正ホイール、パイロットスポーツ)
 →カーオーディオ換装

☆車両の状態は良好。デフオイルの交換で走行抵抗減少の実感あり。

■走行ステージ、距離

・酷暑の海辺
・高速道路長距離走行
・砂利のフラットダート
・峠道
・街乗り
・ミニキャンプ
 …など計3000km

■燃費@ハイオク

・街乗り:約6.5km/l
・高速道路(80~90km/h):約12km/l
・高速道路100km/h以降:約9km/l

☆予想以上に伸びる。街中では燃料計がガンガン下がるが高速で流してる分には良好な燃費。一般のインプレよりはるかにいい数字が出ている。インチアップホイールを装着し、タイヤ外径が大きな車両は見かけ上の燃費は悪化する(タイヤが大きい分、距離計の表示が少なめに出る)。

■不具合箇所

・電動ミラー

 →開閉不具合、内部のサビによるもの(持病)。
 →ミラーの角度調整は異常なし。

・インヒビタースイッチ不良

 →セルが回らないことがある。
 →この場合、ATレバーをガシガシやりながら始動可。
 →ディーラでのスイッチ調整(4,095円)で回復。

 ※インヒビタースイッチ
 =ATレバーがPかNでないとエンジンが始動できない。
  このとき、レバーの位置を検知しているスイッチ。

■評価

☆総評

非常に出来のいい車両である。走行性能と高級感、使い勝手がうまく融合されており、どれを取っても満足できる仕上がり。一人でも4人でもよく走り、またいつまでも無駄に走っていたくなるクルマである。シャシー、エンジンなどプラットフォームがスカイラインと同じであるため、走りの気持ちよさは折り紙つき。中古車市場では不人気車のようで、今回は17万円で手に入れられたがバリューフォーマネーは圧倒的に高い。

・車体

よれ、たわみなど一切ナシの高剛性車体である。また重心も低く、コーナリング時のロールも控えめなため、あらゆる局面での余裕を持った走行が出来る。ドアを閉めたときの感触はR32スカイラインに近い。サッシレスドアのため、やや機密性が不足しているような印象を受けた。ドアと車体が接している面が閉じた瞬間に密着していないような感じーレクサスはじめ高級車のようにボンッと閉まらない。ウインドーについて、前席は全開できるが後席は前半分だけが全部落ち込むように開くため全開にならない。

・内装

ブラックレザー仕様、メタリックパネルのコンソールのため非常に精悍かつ高級感がある。レザーの質も申し分なく、運転席以外のシートは一切くたびれていない。また十分な横幅があるため車内空間に余裕がある。乗り込み時は低いシートに腰を滑り込ませるようにするため、若干乗りにくい。サイドシルが少し高めなのも乗り込みにくい要因ではあるが、高いボディ剛性を実現する要素となっているはずである。

このグレードに標準装備されているステージアスーパーオーディオシステムのクオリティは非常に高い。特に、社外オーディオシステム(ヘッドユニットのみ)に交換したときの音質はハンパなく、ウーファーの追加装備など全くもって不必要な品質の高さ。車体の剛性、レザーの内装とあいまって非常に高いリスニング空間が出来上がっている。

前席は電動シートであるが、ポジションメモリー機能がないためあまり意味がないばかりか、動きが遅いため鬱陶しい。後席はリクライニングの範囲がかなり広く、好みどおりに調整できるが、一杯まで後ろに倒したときアームレストが上を向きすぎる。後席に座ったとき、前席の下に足を入れられるのでそれ程狭さは感じないが、取り立てて広くもない。ただ、だいぶ後ろにまでリクライニングすること、また後頭部より後ろの空間に非常に余裕があるため、圧迫感は無い。各シートはそれぞれかなり快適である。

・エンジン

名機RBエンジンの名にたがわず、スムーズな加速と正確なレスポンスが味わえる。耐久性も申し分ないようで、8万キロ走行の現在でもコンディションは良好である。

引用>トヨタ・2JZ-GTE  日産・RB26DETT
どちらも国内最高峰の出力と耐久性を持つため、モアパワーを狙うチューニングに使われる。同型の子分方、1JZ-GTE、RB25DETなども、使われるときがある。

・ユーティリティ

広いラゲッジルームとシートアレンジのバリエーション、よく考えられたフックやポケットなどの補助的装備がいい仕事をしてくれる。思い付きをその場で実現できる、こういった細やかな装備はアウトドアシーンでも特にありがたい。

・加速

出足は鋭いが、車重(1700kg)のためわりと上品。2速以降からの伸びは大人の本領発揮的加速で、小排気量車の回転数で稼ぐ馬力とは別物である。トルクでぐいぐいスピードに乗せていく感じ。150km/hぐらいまではスーッと加速する。エアコンをつけるととたんに出足がもっさりする。

・ブレーキング

利かないと悪評が散見されるブレーキは、街中で普通に走っている分には問題にならない。が、強力にブレーキを利かせたい状況では心もとない。目一杯踏んでもガツンと利く感じはなく、スーッと丁寧に減速する。ブレーキだけは出来れば強化しておきたい。ハードなブレーキング時でも、ボディの剛性が強烈な安心感を担保している。

・コーナリング

1700kgもの車体の割には非常に良く曲がる。しかもスポーツカーのようなクイックな挙動ではなく、丁寧にラインをトレースするような小気味の良いコーナリングが出来る。前述の通りロールも非常に小さく、アクセルを当てながらの旋回は、4輪をがっちり駆動させながら車体を思い通りの方向へ走らせることが可能。

BB1100

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