子供の英語教育について、義務教育以上のものは取り急ぎ必要ではない:英語はただのツール

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日本人の英語へのあこがれというのはそれはもうハンパないものがあります。そしてその憧れの割には、使える英語を持っている人の割合の低さも、これまた笑えるぐらいギャップがあります。笑っている場合ではないのですが、これが現実です。ではなぜ?

それはズバリ、英語は必要ないからです。

英語がしゃべれたらなぁと思っている皆さんに聞きたいのですが、英語を話せたとした場合、その英語で何をするのでしょうか?海外旅行でいいところを回る?外国人のお友達を作りたい?仕事に役立てられるように?単純にかっこいいから?…全部、理由としてはかわいいものです。理由がかわいいものだから、英語は身につかないのです。だって、しゃべれなくても死なないでしょ。

例えば北欧の国々や、ヨーロッパの小国の、特に若い皆さんはだいたい英語が使えます。アジアの意識高い層もそうです。なぜかというと、彼らは英語がしゃべれないと稼げない=生きていけないからです。自国の中だけでは産業の規模もビジネスのチャンスも、限定されたものになるからです。自国を飛び出して、海外に働きに出ないといけないからです。日本はエネルギーや原材料を大方輸入していますし、世界一の「イイもの」づくり大国と言われており、実際に自動車産業、電気産業を筆頭に製品をバンバン輸出しまくっていますが、実は海外への経済依存度は29%ほどとそれほど高くなく、世界ランキングは200カ国中180位らへんです。

その昔、日の沈まない国、と言われていたのが大英帝国、イギリスです。全世界に植民地があり、その植民地のどこかは必ず昼間、つまり日の沈まない国というわけです。そのイギリスの影響力と、大英帝国旧植民地の中でのスーパーエリートであるアメリカの影響もあり、英語は一気に全世界に普及しました。その文法のシンプルさもプラスに働いて、いまでは15億人が英語を話すと言われています。人数で言うと中国語が一番多いかもしれませんが、世界政治、経済、また研究の分野に関わる影響力の大きい人たちが使う言語、という意味では英語のプレゼンスは永遠に世界No.1でしょう。まさしく、言語のデファクトスタンダードです。

ですが、英語というのはツールです。持っているだけでは何の役にも立ちません。まさに、ペンチとかナイフと同じです。英語を話す機会も必要性もないのに、それを身に着けようとするのは、車をいじることもないのに高額なレンチセットを買うようなものです。英語を身につけるのにはとてもお金がかかります。日々のレッスン、身についた英語を維持していく費用は莫大なものです。リターンとしてそれ以上の価値を回収できるかどうか。英会話スクールに入る前に、まずそこを考えたほうがいいです

子供の英語教育にしても同じです。日本で生きていくならまず、毎日絶対に使う日本語をしっかり叩き込みましょう。普通に生活しているだけで日本語は身につきますが、よりわかりやすい話し方、相手がより聞きやすいストーリーを構成する力をつけましょう。話すことは自分の頭の中にあるイメージ相手の頭の中に、できるだけ精密なイメージとしてゼロから再現することです。これはとても難しいことですが、表現する言語、手法に関わらず応用できますので、まずそこからスタートしましょう。幸運にも楽しくてとても参考になる学習教材があります。人志松本の「すべらない話」シリーズは最高の教材のひとつです。人を笑わせる、という最も難しい課題を、話し方ひとつでいとも簡単にやってのける芸人たちの話術というのはまさに芸術の域です。芸人たちがどういった順番で物語を構成し、どういった要素を強調しながら話していくかをつぶさに観察してみてください。海外系ではネットフリックスの「愛国者として物申す」。ハサン・ミンハジの鋭くもユーモアあふれるプレゼンは必見です。

英語の学びはじめは、海外に何か発信したくなってからが、最も効率がいいです。人の脳は「忘れる優先」で動いています。反面、これは必要!と脳が認定すれば、恐るべきスピード知識を吸収していきます。この必要スイッチをONにすることで、英語だろうがなんだろうが、ちゃんと頭に入るのです。逆に言えば、必要スイッチOFF状態だと、何をやってもムダです。どんなに高額な教材を使おうが、日本一のカリスマ講師が出てこようが、です。なので、効率的に英語を身につけようとするならばまず環境~英語を話さなければ自分のしたいことができない、という環境を用意します。そんな環境は今もこれからも無い、という方にとっては、普通に学校で習う以上の英語教育は必要ありません。義務教育レベルの英語で基礎は十分網羅しています。もっと違うことにお金とパワーを掛けましょう。

逆に、もうすでに海外に興味がある、英語を身に着けて世界に飛び出そうとしている子供には、しっかり学んでもらいましょう。そこでも一番効果的なのがやはり、親が背中を見せることです。親が英語を話していると、もしくは話そうと努力をしている、勉強をしていることが、子供の一番の学びのモチベーションになります。最近では、欧米に留学する必要もありません。暖かい島で、ゆったり英語を学ぶ選択肢も増えてきています。

BB1100

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